大阪 堺市 耳鼻咽喉科(耳鼻科) 原田耳鼻咽喉科 JR鳳駅徒歩3分

院長のコラム

滲出性中耳炎 ~詳細編~

 この病名を耳にされた方は多くいらっしゃると思います。


 耳管カタル、耳管狭窄症なども類義語です。急性中耳炎とどこが違うのかと疑問をお持ちの方も多いでしょう。急性中耳炎と比べてとても厄介です。


 急性中耳炎は、中耳腔の急性の細菌感染で激しい痛みですぐ医者にかかり抗生物質や鼓膜切開等で比較的に短期に治癒する疾患であるのに対し、滲出性中耳炎は軽度なら無症状だからです。気が付かれずに経過し悪化しても耳が詰った感じや少し聴こえにくいだけで放置されるケースも多いです。重症化して中耳腔に滲出液が貯留し聴力がかなり悪化し鈍い痛みが生じて初めて来院するケースが多く治療に難渋することがよくあります。


 また、長期間にわたって治療が必要なことが多く経過中少し良くなっただけで症状が消えてしまうこともしばしばで、それで治療を止めてしまって再び悪化するということがあり、なかなか治癒までこぎつけない疾患です。この疾患の本態は、鼻腔と中耳腔をつなぐ耳管という管の通りが悪かったり内空の粘膜の働きが悪かったりして、鼓膜の内側が陰圧になってさらには中耳腔に滲出液が貯留することです。(図を参照)

 治療としては、「耳管通気法」が最初に行われる治療ですが年齢が低いと難しいことがあります。通気法は、耳管カテーテル(先が折れ曲がった金属の管)で鼻から耳管開口部に挿入し圧縮空気を送り込む方法と、ポリッツェル球を用いての圧縮空気を「ラッパ」などと発音させたときに鼻腔に送り込む方法があります。カテーテルを使用したほうがより効率的ですが幼少期は困難です。通気法が無効である場合は、鼓膜を尖刺や切開して滲出液を抜いたり、廃液が効率よく行われるために鼓膜に換気チューブを留置したりします。


 滲出性中耳炎は風邪などの一時的な上気道の炎症に伴う一時的なものから、慢性の年余にわたる治療が必要なものまであります。一般的には治りにくいと認識してください。


 この疾患にもっとも適した検査は、「ティンパノグラム」と言って鼓膜のコンプライアンス(動きやすさ)を測るものです。子供と老人に多く、特に成人の場合は難治です。

幼児期から発症した滲出性中耳炎は、治療すれば9歳までに約9割は治ります。自然治癒もあり得る疾患ですが成人型に移行すると一生付き合うことにもなりかねません。治療を開始して経過を見ながらティンパノグラムで検査していきますが、途中で検査が正常になって治療をいったん終了しても再発を早期発見するために定期検査が必要です。

この疾患にかかってしまったら長期の治療が必要ですが、途中で投げ出さないように頑張って治療をしてゆきましょう。